ベタベタに甘やかされるから何事かと思ったら、罠でした。
「……すごい思いあがりですね」
「いいや、違う。俺は空気は読まないけど、わかるよ。……ほら、当たってる胸。自分でもわかるでしょ? 今もすごくドキドキしてる」
「っ、離して!」
「そう言いながら体、全然力入ってないもん」
「……」
だらしがない。弱い。不甲斐ない。
自分を自分で貶める言葉が頭の中をぐるぐると巡って、だけどそれでも目の前の彼を突飛ばせないのは、きっと――お湯に濡れた服が、重すぎるからだ。私は今、身動きが取れない。
春海さんは私にトドメを刺すように囁く。
“これでもかってほど優しくできる自信があるよ”と。
気づけば私は目を閉じて、黙って上を向いて。二人ともずぶ濡れのまま浴室で絡まっていた。
「ん、ふ……」
引っ越してきた日に一度だけ触れた唇が、遠慮がちに触れ合って。段々、無遠慮に貪るように奪っていく。お尻を撫でまわしていた手が少しずつ体をのぼって、顔まで行きつくと両耳を塞いでキスの音を私の頭の中に閉じ込めた。
「いいや、違う。俺は空気は読まないけど、わかるよ。……ほら、当たってる胸。自分でもわかるでしょ? 今もすごくドキドキしてる」
「っ、離して!」
「そう言いながら体、全然力入ってないもん」
「……」
だらしがない。弱い。不甲斐ない。
自分を自分で貶める言葉が頭の中をぐるぐると巡って、だけどそれでも目の前の彼を突飛ばせないのは、きっと――お湯に濡れた服が、重すぎるからだ。私は今、身動きが取れない。
春海さんは私にトドメを刺すように囁く。
“これでもかってほど優しくできる自信があるよ”と。
気づけば私は目を閉じて、黙って上を向いて。二人ともずぶ濡れのまま浴室で絡まっていた。
「ん、ふ……」
引っ越してきた日に一度だけ触れた唇が、遠慮がちに触れ合って。段々、無遠慮に貪るように奪っていく。お尻を撫でまわしていた手が少しずつ体をのぼって、顔まで行きつくと両耳を塞いでキスの音を私の頭の中に閉じ込めた。