きみに、好きと言える日まで。
「それからふたりは毎日決まった時間に落ち合い、互いのことを話す仲になって行き……
そして……。ヨタロウは、ついに気持ちが抑えきれんくなった……」
そのまま、じっと一点を見つめて口を噤む耀くん。
「……で?どうなったの……?想いは伝えたの?恋は実ったの?」
先をせかすあたしに、耀くんはため息を一つ。
「まひ、ニブすぎ」
「……え?どういう意……」
聞き返そうとした瞬間だった。
突然、唇を塞がれたのは。
耀くんの唇が、あたしに触れている。
濡れた前髪が、目元をくすぐる。
え………。
何が起こった……?
全てが停止して、瞬きも忘れた。
1、2、3……
状況は理解できていないけど、心の中で秒速だけはカウントされていく。
……5。
「まひがニブ過ぎるから………」
耀くんが、ゆっくり唇を離した。