きみに、好きと言える日まで。


回りの雑音が全て遮断されて、聞こえるのは耀くんの声だけ。



「……うん」

『良かった……出てくれて……』



それは、心地よく耳を震わせた。




本当なら今頃は。


精神を統一させて、気持ちを高めて……。





耀くんはその熱を見せないように静かに話す。



『今、どこにいる……?』

「えっとここは……」



無意識に探ろうと、自分の居場所を確認しようとすると



「西ゲート階段脇すぐ横。前から5列目!!」



そんな拙い行動で把握してくれた凛ちゃん。


すかさず、耀くんの質問に横から答えてくれた。



『……聞こえたし』



耀くんが少し笑う。


そして、



『通路脇まで出て来れない?』


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