きみに、好きと言える日まで。
あたしは弾かれたように席を立った。
一目散に向かったのは、熱く焼けた手すりの前。
『そこから見下ろして?』
耀くんからはあたしが見えているのか、手すりにしがみついてキョロキョロしたと同時。
言われたままに、目線を下げた。
……そこには。
青いユニフォームに身を包んだ耀くんが、携帯を耳に押し当てながらこっちを見上げていた。
───トクンッ……。
『最後の試合前に、どうしても伝えたかったことがある』
5メートルほど先からささる、彼の真っ直ぐな瞳。
さっきは見れなかった耀くんの顔を正面から見て、あたしの鼓動は更に激しさを増した。