花盗人も罪になる
「俺も男だし正直言うとそれはホントに困るけど……。でもやっぱり、できるなら相手は誰でもいいとは思わない。しーちゃんがどうしてもイヤなら、我慢するよりほかないんじゃない?」

「我慢するの?」

「他の人として欲しいの?」

「それはイヤ」

「わがままだなぁ……」

逸樹はおかしそうに笑った。

「もしそうなった時はそうなった時。俺はしーちゃんと毎日のようにエッチしたいってだけの理由で結婚したわけじゃないよ」

毎日のように、と言う逸樹の言葉が、紫恵にはやけに生々しく感じられた。

逸樹はもしかすると人より性欲が強いのかもと思いながら、それに疑問も何もなく応えている自分もそうなのかもしれないなどと紫恵は考える。

「なんか言い方が生々しいね……。それも思ってたでしょ?」

「そりゃ思ったよ? 俺はしーちゃんが好きだもん、したいに決まってる。でもそれだけじゃないんだ」

「それだけじゃないって?」

紫恵が尋ねると、逸樹は紫恵の目を見つめて手を握った。


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