花盗人も罪になる
公園に着くと、池の見える木陰のベンチに並んで座った。

「心配かけてごめんな」

「そんなことがあったんだね。私こそ大輔が大変な時に何もしてあげられなくてごめんね」

大輔は太陽の光を浴びてきらきら光る池の水面を眺めながら、ためらいがちに香織の手を握った。

香織は驚いて大きく瞬きをした。

「香織……俺……」

大輔が何かを言おうとした時、それを遮るようにりぃが尻尾を振りながら吠えた。

「りぃちゃん! かおちゃん!」

公園の入り口から、希望が満面の笑みで手を振りながら駆け寄って来る。

大輔と香織は慌てて手を離した。

希望の少し後ろには逸樹と紫恵の姿。

背の高い逸樹と小柄な紫恵が並ぶと、ずいぶん身長差がある。

二人一緒のところを見るのは初めてだけど、とてもお似合いだと香織は思う。

逸樹は今日も穏やかに笑っている。

香織の目には、その笑顔がいつにも増して幸せそうに見えた。

香織は立ち上がって頭を下げた。

「村岡主任、こんにちは」

「こんにちは、近田さん」

「今日は紫恵先生もご一緒なんですね」

「ええ。妻も近田さんとりぃちゃんに会いたいって。もしかして……今日はお邪魔でしたか?」

逸樹が大輔の方をチラリと見た。

「邪魔だなんて滅相もない! この間お話しした彼氏の大輔です。いろいろあって、今こちらの実家に帰っていて……」

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