俺様上司と身代わり恋愛!?
好きになろうとして好きになったというと少し語弊があるけれど、好きって意識するより、意識して意識するようにしていた方が先だった。
結果的に今、志田さんを好きかどうかで聞かれれば……多分、好きではあるけれど。
でも……きっと、高橋さんの気持ちの方が大きい。
私はさっきの高橋さんみたいに、志田さんを好きかもしれないという話を、顔を真っ赤に染めて震えながら必死にはしないだろう。
だから、高橋さんが必死になっているのを見て、私が同じ土俵にいたらダメだと直感した。
それこそ、失礼だ。
それに……それに、私は。
志田さんを確かに少し好きだったかもしれないけれど、でも――。
「なにやってんだ。帰ったんじゃなかったのか?」
突然聞こえた声にハッとして顔を上げると、さっきまで高橋さんが立っていた場所に課長が立っていて驚く。
課長は不思議そうに眉を寄せて私を見下ろしていた。
いつの間にかだいぶ暗くなっている事に、スマホの液晶画面の明るさで今更気づく。
スマホの右上にあるデジタル時計を見ると、時間は18時21分だった。
「課長……どうしたんですか?」
なんで駐車場なんかに……という意味で聞くと、課長は「今日車だから」と答える。
「課長、運転できたんですね」
「最初に配属された支店が駅から距離あったから、色々乗り継ぐのも面倒だと思って入社を機に買ったんだよ。
ここは駅から近いから電車でもいいんだけど、ずっと乗らないのも車によくないだろうし、半分くらいは車通勤」
「そうだったんですね……」と納得していると、課長に「で? おまえは?」と聞かれて……なんて説明しようかと思いながらスマホの液晶画面に視線を落とした。