俺様上司と身代わり恋愛!?


「そういえば、高橋と今野はどうだ?」

隣に立つ課長の質問に出てきたふたりは、今年の新入社員。
オペレーターとして配属されたふたりをコーチするのは、私を含め、先輩社員の仕事のひとつだ。

ショートカットで茶色い髪色の高橋さんと、黒髪ストレートロングの今野さん。

雰囲気は、高橋さんがほんわかしていて、今野さんはきびきびしている。

私が直接コーチャーとしてついているのは、高橋さんだけだし、それを指名したのは上司である課長。
今野さんには、他の社員がついている。

だから、私に今野さんの様子まで聞くのはおかしいし、聞かれたところで分からないのだけど。
課長が今野さんの名前を出したのには事情がある。

「高橋さんは覚えもいいですし、きちんと取り組んでくれてますから、これと言って問題はないかと。
今野さんは……桐崎課長から見るとどう映りますか?」
「まぁ……茅野を嫌ってるように見えるな。しかも、なめてかかってる」
「激しく同感です」

そう。
なぜか今野さんは私相手の時だけ、嫌悪感も露わに態度をキツくする。

最初こそ、私の自意識過剰というか勘違いかなーと呑気に考えていたものの……。
その考えこそが呑気そのもので、今野さんの態度は誰がどう見てもキツイものらしいと、そのうちに気付いた。

いつからキツいのかと思い起こすと、恐らく初対面の時からずっと一貫してだから、私自身理由もよく分かっていない。

最初の頃は自分にだけそんな態度とは知らず、そういう子なんだとさえ思っていたくらいだ。

けれど、時間が経つにつれ、あれ、あのキツい態度は私にだけなのかなって気づいて。

今野さんの態度から、あ、これは多分なめてかかられてるんだなーと理解するのに時間はかからなかった。



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