俺様上司と身代わり恋愛!?


きっと、志田さんに気のある、強めの女性社員に何かしら言われたりしたんだろうな、と簡単に予想がついて苦笑いを浮かべると。

志田さんは「いや、そんな事はないけど」と呆れたような笑みを浮かべて自身の人気を否定した後、目を伏せた。

「その後、また帰りが一緒になった時、怖がった顔して逃げられて。なんか悪い事しちゃったなって思った」

「女の子の間では、結構色々言われたりとかあるんでしょ?」と聞かれて、ははっと笑いながら頷く。

確かにその辺、男性社員には未知の世界かもしれない。
あんなドロッドロの世界があるなんて。

「意地悪な人ってどこにでもいますからね。釣り合わないだとか、いい気になってるだとか……そういう事平気で言ってくる人、割といますし」
「……それ、本当に?」

「はい。だから、今こうしてご飯一緒に食べてるところなんて誰かに見られたら、明日とかひどい噂立てられてると思いますよー。
志田さんが社内で人気なのは本当ですし」

冗談みたいに言って笑ったけれど、志田さんは手を止め、真面目に困った表情を浮かべていた。
間接照明のせいか、やたらと真剣さが伝わってきてドキリとする。

「志田さん?」
「あ……いや。本当に、もしもそんな事になったら茅野さんに申し訳ないと思って……」

「そもそも、なんで俺なんかがそんな人気とか……」と難しい顔をしてぶつぶつ言う志田さんに、ぷっと吹き出して笑ってしまう。

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