夜の図書室で
 僕の霊感は、あの五日間だけだった。ほかの人に見えないものを見たり、声を聞いたりもしない。きれいさっぱりなくなってしまったらしい。


 なんで始まったのかも、なんで終わったのかもわからない。


 金縛りや、原因不明の頭痛、首の後ろの激痛もなく、元気に過ごしている。



 そんな、人には言えないことがあってから、数か月後。



 これから帰ろうと言うときに、先生がみんなの前で「転校する人がいます」と事務的に伝えてきた。


 三日連続で僕をターゲットにした嫌がらせは、僕の知らないところで別の男子に変わっていて、そいつは、僕のように気にしないではいられなかったのだろう。


 死のうとして、大けがをした。いま入院中で、そのまま学校に来ないで転校するという。


 学校では、いじめがあったかどうかの緊急アンケート調査が、中二だけではなく、全学年の全生徒に対して行われた。


 またしても、誰かが傷ついて、死を考えて……。
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