夜の図書室で
「だったらいま見せて!」


 ナナちゃんが、いきなり近づいてきた。歩いてきた、ではなく、飛んできた、というのがぴったりな速さで、こっちに向かってきた。


 やっぱり幽霊だな。


 改めてそう思うと、ナナちゃんは僕の後ろに回り、机の上のクリアファイルにはさまれた原稿用紙を読み始めた。




「あたし、こんな字、きたなかったかな」


 下を向いているナナちゃんは、少し嫌そうな顔をしているように見えた。


「自分が書いたものなんじゃないの? 素直に認めなよ」


「わかんない」


 言い張るねえ。


 なんとなく、ナナちゃんが嘘ついているような気がしてきたんだが、気のせいだろうか。


「これ、あたしが書いたとして、なんで『星の王子さま』にはさんでおいたの? ノートじゃなくて原稿用紙なのも、わかんない」
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