クリスタリア~隠された闇~

正反対の色


光と闇。

それは正反対の力であり、

その2つが合わさると大変な事になる。

本来ならば会ってはいけない2人なのだそ

うだ。

その話はロキから聞いた。

会ってはいけない2人……

でもミネルは、

ロキに会えてとても嬉しそうだった。

ロキも顔に出さないだけで、

本当は会えて嬉しいと思う。

2人はどんな関係なのかは知らないけど、

ミネルがあんなに嬉しそうにするんだか

ら、暫くは会っていなかったのかもしれな

い。

……聞いてみるか。


『なぁ、お前とミネルはどういう関係なん
だ?』

「なんだ、新人か。俺とミネル?…ただの長い付き合いなだけたよ。」

『だったら何でもっと話したり、会ったりしてあげないんだよ。』

「言っただろ。本来は闇と光は会ってはいけないんだ。話すだけでも危ないのに、頻繁に会ってたら大変な事になるよ?」


ロキは悲しそうな表情でそう言った。

話を聞く限り、ロキとミネルは「ロミオと

ジュリエット」みたいだな。

なんかジトジトしてて、面倒くさそう。


『別にそんなの関係ないだろ。』

「えっ?」

『何かと腐れ縁なんだろ?ミネルとは。』


ミネルだって、お互いが会ってはいけない

存在だと分かっているはず。

なのにミネルは、あんなに嬉しそうに、

楽しそうにロキと話をする。

分かってる筈なのにな。


「もう戻れないよ。あの頃には。」


何でそんな思い詰めた顔するんだよ。

何で……

俺がそんな事を考えているなんて思ってな

いのか、それとも気を使っているだけなの

か……ロキはケロッとしていた。


「さて、今日は君達の歓迎会なんだから楽しまなくちゃな。」


そう言ってロキは俺から離れていった。

ミネルはこの事を知っているんだろうか。

もしかして、ロキだけが知ってたりして。

流石にそれは無いか。

でもあのミネルなら知っていなくても既に

感づいてるかもしれない。

それにロキは、今まで忙しくて来れなかっ

たと言っていた。

やっぱり、この事も嘘なんじゃ……

考えれば考える程深くなっていくロキの謎

は、底のない闇が広がっているようだっ

た。

そんなこんなで1人悩んでいると、アルネイ

達がはなしかけて来た。


「えっと、どうかした?」

『ふぇっ!?あ、いや、ただ考え事してた。』

「僕達に出来ることがあったら何でも言ってね。」

『ああ。ありがとうな。』


アルネイとネプートは一見大人しいように

見えて社交的で話しやすい。

こいつらとはこれから仲良くなりそうだ

な。

その後は3人で色々面白いことを話し合っ

た。

話しているうちに、3人で共に遊んだり、話

したりする事が自然と多くなった。

毎日毎日楽しくてしょうがなかった。

あんな事になるまでは…。





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