にゃおん、と鳴いてみよう

でもね、ミネちゃんはかなりのドジっ子さん。
あたしの前を通りかかると、すぐお話に夢中になっちゃう。

くるくる揺れるミネちゃんの髪を気にしながら、なんとなくぼーっとミネちゃんの後ろを見ると、
台所の方から湯気がもくもく上がってるって事がたくさんあった。

ぴょんととび下りて、そっちを向かせると、


「あー、忘れてた!」


って言って、慌てて駆け出して行く。

火事になったら大変だったーっていうけど、このままだといつか必ず起きると思うわ、あたし。

だからあたしが、しっかり見ててあげなきゃね。


ミネちゃんってかわいい。

たまにママみたいにあったかくって、でも、失敗ばっかりするのは子供っぽくて。

あたしより小さい赤ちゃんみたいな態度をするときもあれば、お姉ちゃんみたいに偉そうにすることもある。
二ンゲンは嫌いだけど、ミネちゃんはかわいいなって思う。


ミネちゃんのことを考えていたら、口元が自然に緩んできたから、慌てて首を振った。


ううん。ダメダメ。
好きになっちゃったら辛いもん。


だってあたしは、ママを探しに行かなきゃいけないんだから。


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