未熟女でも大人になっていいですか?
「カツラもガッコの先生なら知ってるだろう。専門学校が如何に金の掛かる場所か」


「う、うん…」


何人もの生徒の進路を調べてきた。

どんな専門学校も私大並みかそれ以上のお金が要る。


「入ったまでは良かった。でも、勉強していくうちにやっぱり似合わん世界だと思い知った。3年過程のうちの1年間は頑張った。親やばあちゃんの顔を伺うと、直ぐにでも退めてぇとは言えなかったから」



心根は優しい野郎だと富沢さんは高島のことを語った。

あの人はきっと、この話を知っていたのだ。


「2年の夏期休暇を終える頃、これ以上は通えないと判断した。本音と建前を使い分ける公務員の姿にゲンナリとさせられることが多過ぎたから……」




「いつも本気でしかぶつかれねぇんだ俺は……」


高島の声が憂いでいる。

その言葉に耳を傾けながら20年前の彼を思った。


「俺が学校を退めると言ったら当然のように親父たちは怒って、『後になって後悔することになっても遅いから通い続けろ』と詰め寄った。でも、俺は頑として『嫌だ』と言い張り続け、ある日親父からこんなことを言われたんだーーー」



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