イジワル上司に焦らされてます
「だけど、そんな不破くんの決意を粉々にしたのが三年目の忘年会だよね」
「そうそう、アレは不破には悪いけど、めちゃくちゃ笑ったなぁ。もう、ホントなんつーか男としては不憫だった」
「珍しく、日下部さんも少し酔っててね。 " たった三年で一人前になれるとは思ってません。だから不破さんにはこれからも尊敬する良き上司として、ご指導願いたいです " ……って」
「留めに、" それに、お互いお一人様だから、仕事に縛られても気を遣わなくて楽だし " ……ってな」
「嘘…………」
思い出したら、腹が立ってきた。
そう言ってその日、コイツは酔い潰れて、俺に自分を近くのビジネスホテルまで運ばせたんだ。
俺の背中に身体を預けて、譫言のように零された言葉もハッキリと覚えてる。
『不破さんが上司で、本当に幸せ』
『不破さんみたいなデザイナーになりたい』
『不破さんに、もっともっと近付きたい』
『……不破さんがいれば、彼氏とか全然いらない』
─── 上司なんて、クソ喰らえだと思った。