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「裕子先生のこと呼び捨てってことは、裕子先生のお知り合いですか?……先生ってことは、屋上に来てることを注意しに?」



不審そうにイケメン……橘先生に話し掛けている雅。この子結構人見知りってゆうか慎重な所あるんだよな。お母さん譲りのちょっと抜けた感じの私にはピッタリの相棒だよ。



「まぁ、そんなに構えなくていいよ。裕子とは3つ歳が離れてるけど、幼馴染みでね。日向ちゃん達より10も上だよ。大学生に間違われるなんて光栄だな。そんなに若く見える?



裕子が産休の間、俺がここの保健教諭することに決まった時、屋上が誰もいなくてのんびり出来るよって教えて貰ったんだ。保健教諭が屋上の鍵も管理してるって言うし。



それで裕子が、自分に凄く懐いてくれてる可愛い女子生徒が2人いて、特別扱いは本当は良くないけど、その2人がそれはもう可愛くて、その子達にも他の人には内緒で屋上の鍵を渡してるから宜しくねって言ってたんだ。んで、可愛い女子生徒を見に来てみたって訳。



別に注意しに来たんじゃないから安心して。あわよくば俺も屋上仲間に入れてくんないかなぁと思って。」



ニコッと笑い掛けて来る橘先生。あぁ鼻血が……



私と雅は顔を見合わせて頷く。
可愛い女子生徒なんて照れる。裕子先生凄い可愛がってくれてるもんな。私も雅も裕子先生が大好きだから…



「裕子先生の幼馴染みで、裕子先生が言うんだったら大歓迎です。私は村田雅、こっちは花村日向です。」



コクコク……
とイケメンを前に言葉が出ない私の代わりに自己紹介をしてくれる雅に頭で返事をする。



「おっと!これは失礼。可愛い女子生徒の前でタバコはダメだったね。」



携帯灰皿にタバコを押し付けている橘先生。もう押し付けている動作でさえもイケメンで見とれる。



「それに日向の初恋相手なんだから、邪険にする訳にもいかな………って、日向!鼻血垂れてる!」



慌てる雅を見ながら手を自分の鼻の下へ持っていくとヌルっとした感触。その手を目の前に持ってくると…真っ赤な血が……



「本当に鼻血出しちゃうなんて…ほら、このハンカチで拭いて…」



橘先生がまたまた清潔そうなハンカチを差し出してくる。意識が朦朧としてきた私には、ハンカチを受け取ることが出来なくて、橘先生が私の鼻をハンカチで押さえる。



あぁ、タオルどころかハンカチまでも汚してしまった。なんだかドキドキが止まらないけど、これが恋なんだろうか。でも初恋相手に鼻血ブー姿を見られてしまうなんて…さらば私の初恋…………



パタン



ここで私の意識は途切れた。



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