エリート上司と偽りの恋
「もう上がるか?」
営業事務のメンバーがデスクの上を片付け始めたとき、一番遠い席に座っている部長が私たちのところまでやってきた。
「急なんだけどさ、とりあえず営業部だけで篠宮の歓迎会やろうと思って。事務のみんなは予定どう?」
「行きます!行きます!」
さっきまで早く帰りたいと言わんばかりに、ものすごいスピードで片付けていた桐原さんがいち早く手を上げた。
行きたくない……。
業務上でのやりとりならまだしも、歓迎会というお酒の席で主任の姿を見るなんて絶対無理。近づきたくない。
けれど結局主任の歓迎会なんだから断れるはずもなく、まだ子供が小さい鈴木(すずき)さん以外は参加することになった。
「悪いけど加藤、どっか店電話してくれるか?」
「私ですか!?」
「だって、いい店予約するの加藤が一番得意だろ?」
得意なわけじゃないけど、そんな恵比寿様みたいな穏やかな笑顔で部長に言われたら、断れませんよ。
「篠宮にどんな店がいいか聞いてさ、ほら丁度帰ってきた」
ドアの方を振り返ると、いつの間にか主任が立っていた。
「戻りました。部長、お話いいですか?」
「ああ分かった。じゃー加藤、適当に宜しく。決まったら先に始めてていいから」
適当にって部長、なんで私なんですか……。適当になんか決めれませんよ。
篠宮さん、なにが好きなのかな……?真剣な表情で部長と話してるから、横から入っていって「好きな食べ物なんですか?」なんて聞ける雰囲気じゃないし。
でも、どうせなら美味しいお店で歓迎会したい。
とりあえず、この近辺で私が一番気に入ってるお店に電話をした。
金曜日なのに世間で言うところの給料日前だからか、当日にも関わらず十八名分の席を取ることができたので、印刷した店の地図を深海君に託し事務のメンバー五人だけでお店に向かった。
営業事務のメンバーがデスクの上を片付け始めたとき、一番遠い席に座っている部長が私たちのところまでやってきた。
「急なんだけどさ、とりあえず営業部だけで篠宮の歓迎会やろうと思って。事務のみんなは予定どう?」
「行きます!行きます!」
さっきまで早く帰りたいと言わんばかりに、ものすごいスピードで片付けていた桐原さんがいち早く手を上げた。
行きたくない……。
業務上でのやりとりならまだしも、歓迎会というお酒の席で主任の姿を見るなんて絶対無理。近づきたくない。
けれど結局主任の歓迎会なんだから断れるはずもなく、まだ子供が小さい鈴木(すずき)さん以外は参加することになった。
「悪いけど加藤、どっか店電話してくれるか?」
「私ですか!?」
「だって、いい店予約するの加藤が一番得意だろ?」
得意なわけじゃないけど、そんな恵比寿様みたいな穏やかな笑顔で部長に言われたら、断れませんよ。
「篠宮にどんな店がいいか聞いてさ、ほら丁度帰ってきた」
ドアの方を振り返ると、いつの間にか主任が立っていた。
「戻りました。部長、お話いいですか?」
「ああ分かった。じゃー加藤、適当に宜しく。決まったら先に始めてていいから」
適当にって部長、なんで私なんですか……。適当になんか決めれませんよ。
篠宮さん、なにが好きなのかな……?真剣な表情で部長と話してるから、横から入っていって「好きな食べ物なんですか?」なんて聞ける雰囲気じゃないし。
でも、どうせなら美味しいお店で歓迎会したい。
とりあえず、この近辺で私が一番気に入ってるお店に電話をした。
金曜日なのに世間で言うところの給料日前だからか、当日にも関わらず十八名分の席を取ることができたので、印刷した店の地図を深海君に託し事務のメンバー五人だけでお店に向かった。