完璧なカノジョの秘密
「だけど、俺……まりあ様に背中を押されて、気づいたんだ。これからは、もっと人に向き合って、逃げないって」
そう言って、飯島君は、長くて目まで隠れる前髪をかきあげる。
「ちゃんと、人の目を見て、意志を強くもつ。だから、これまでの弱くてダメダメな俺を、どうか懺悔させてほしい!」
飯島君は、色んな人の気持ちに敏感で、私が清人の事で悩んでる時も、「大丈夫?」って声をかけてくれた。
「許します……だけど、私は今までの飯島君を否定する事ないと思うけどな」
「え……?」
「昔の、弱くてダメダメな飯島君がいたから、誰より人の痛みに敏感で、優しい今の飯島君がいるんだよ」
その言葉に、飯島君は瞳を潤ませて笑う。
飯島君の笑顔を見たのは、もしかしたらこれが初めてかも。
今までは、前髪が飯島君の顔の半分を隠してたから…。
「飯島君の、門出を祝福させてね」
「あ、ありがとう!!また、クラスでもよ、よろしく!」
どもりながらも、そう言ってくれた飯島君に、「もちろん」と答えて見送る。
今度、教えてあげよう。
クラスで、私が友達だと思えるのは、飯島君だけなんだよって…。