恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
私は先輩の言葉を思い出しながら思った。

口が悪くて。

鋭く冷たい眼差しで。

笑いもしなくて。

……狼で。

「いいよ、そんな事しないで」

私の声は掠れていたけど聞こえないわけないのに、先輩は反応しなかった。

黙々と裂かれた画を貼り合わせている先輩に、私はイラついて声を荒げた。

「やめてよっ!そんな事したって、意味ない」

「…………」

それでも先輩は何も言わかったし、作業をやめなかった。

「先輩っ……」
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