御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
エグゼクティブデスクの上に、もちろん灰皿は置いていない。
自分の事務デスクからガラスの小皿を出して雪成の元へ駆け寄ると、雪成は無言でくわえていた煙草をその上に置いて、いきなり美月を抱き寄せた。
「わああっ……!」
慌てたのは美月である。
「危ないですよっ……!」
急いで両手で小皿を捧げ持つようにして上にあげる。
そんな風に慌てる美月が面白いのか、雪成はクスッと笑うと美月の腰の後ろで指を絡ませた。
「お前があたふたしている顔を見ると、元気が出る」
「いっ、意地悪ですねっ……」
そう言いながら、美月は雪成を見上げて首をかしげる。
「お疲れなんですね」
「……そうだな。抱きしめてくれ」
「えっ……」
「頼む」
美月は一瞬ためらったが、雪成の声に少し切実なものを感じて、小皿を窓辺に置き、両腕を雪成の胴体にまわした。