御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 ファンデーションをつけないよう、気をつけて。


「これでいいですか?」


 すると今度は雪成の手が、美月の背中と肩に回る。隙間なくぴったりと抱き合って、雪成は美月の耳元にささやいた。


「……本当はずっとこうしたかったし、されたかった」
「え?」


(ずっと……?)


 顔を上げると、そのまま唇に触れるだけのキスが落ちる。

 不意打ちのキスに、当然、雪成の唇にはほんのりと美月のグロスが移ってしまった。


「ちょっ、い、いくらなんでも、その、ここは仕事場ですしっ……」


 こんなところを人に見られては大変である。

 慌ててポケットからハンカチを取り出して雪成の唇をぬぐった。



< 119 / 323 >

この作品をシェア

pagetop