御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
わざと電話に出なかったのかもしれない。
「なにか、面倒なタイプのお仕事ですか?」
「いや、まぁ……半分仕事のような、そうでもないような……」
「よっぽど大変なんですね」
雪成の端正な顔に、面倒臭いとハッキリ書いてある。
社長と外出した先でも関連グループを集めた会議だったはずだ。週に一度、雪成が煙草を吸うのはこのときくらいだから、よっぽどストレスが溜まるのだろう。
「あの……なにか私にできることがあればおっしゃってください」
美月としては、純粋に秘書としての発言だったのだが。
雪成は軽く目を見開いて何度か瞬きをした後、ニヤリと唇の端を持ち上げて、美月の顔を覗き込んできた。
「なんでも?」
「……えっ?」
『できることがあれば』と言ったのであって『なんでもいうことを聞く』と言ったわけではないのだが、なぜか雪成はキラキラした目でそんなことを問いかけてくる。