御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
仕事や住まいだけではない。
二人きりになれば、ベタベタに甘やかされて、愛されて、文字通り可愛がられている自覚がある分、美月はその『終わりの時』を意識せずにはいられない。
(雪成さんにいきなりここを出て行けって言われるのは想像つかないけど……滉一君の心変わりにすら気づけなかった私だもの……。絶対なんてない。先のことは誰にもわからない。依存してしまうのは怖い。)
たとえ毎晩激しく求められても、いまだに、どうして雪成が自分を気に入っているのかもわからないのだ。
「美月、準備はできたか?」
部屋のドアをノックする、雪成の声が聞こえる。
時計を見れば、約束の五分前である。
「あっ、はい。できました」
美月はドレッサーから立ち上がり、ドアを開けた。
「お待たせしました」
「……いや、待ってはいない。ただ早く美月を見たかっただけだ」