御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
なにが「イェイ」だ。
軽薄にもほどがある口調でアハハーと笑う始に軽く殺意が湧いた美月である。
「副社長とここに二人きりなんて無理です! 私は市内のビジネスホテルにでも泊まりますから! ここは副社長お一人でお使いくださいっ!」
すると始は肩をすくめて、美月を哀れむような眼差しで見つめた。
「いや、みっちゃん。市内にあるホテルなんて、一部屋も空いてないって。一応観光シーズンだし」
「みっちゃん? いや、ひ、一部屋も?」
「ないない」
始はぷるぷると首を振る。
だが美月は食らいついた。
「……ほ、ほかのヴィラは?」
「本館のほうはおかげさまで満員御礼。このヴィラだけは業界のお客様向けに準備してるから泊められるけど、新館のほかのヴィラはまだ内装が完成してないし、ベットもないよ」
「ううっ……」