御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
夕食のあと、美月も入浴を済ませ、リビングで雑誌をめくっていた。静かな夜である。
同じソファーには雪成もいて、タブレットで英語の記事を読みながらコーヒーを飲んでいた。
「美月」
「はい?」
ほとんどなにも読んでいない雑誌から顔を上げると、
「明日から三日……いや、四日間、出社しない。予定はすべてキャンセルしてくれ」
と、雪成がタブレットを見つめたまま驚くようなことを口にした。
「えっ?」
出社しないとはどういうことなのか。
この三ヶ月、出社しないと言われたのは初めてである。
「なにか急用でも?」
当然秘書の立場から尋ねたのだが、雪成はうつむいたまま、少し不機嫌そうに首を振った。
「私用だ」
私用と言われてしまうと、なにも言い返せない。
私には言えないことなんだなと、内心ショックを受けていた。