御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 大女将の佇まいに、鳴門に残してきた祖母を思い出して、胸がきゅっと締め付けられる。

 美月が東京に行くと決めた時、とても寂しがっていたからだ。


「坊ちゃんはお元気?」
「はい、最近はリゾート関係で日本中を飛び回っています」
「ああ、やっぱりそうなのね。最近あまり顔を見せてくれないから、忙しいんだろうなあって思っていたのだけど」


 湯飲みをテーブルの上に置いて、ニッコリと笑う。


「結婚したら、もう少し落ち着くかしらね」
「……え?」


(結婚……?)


 目を丸くする美月を見て、大女将は「あらやだ!」と困ったように口元に手をやった。


「ごめんなさい、ついさっき社長が『雪成がやっと結婚する気になったみたいだ』っておっしゃってたから、きっと【KOTAKA】でも周知の事実なんだと思い込んでしまって……! だめねぇ、私ったら……また娘に叱られてしまうわ……」


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