御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 ドスンッとペットボトルをテーブルに叩きつける寺前に、美月は苦笑した。


「かわいそうなんてこと、ないですよね。赤の他人の私だって、わかりますよ」


 寺前が毎朝作る、食の細い息子のために作るきれいなお弁当や、毎晩の寝かしつけのための絵本選びなど、日々のちょっとした会話で、寺前がいかに子供のことを考えているか、同じ秘書室にいる美月はよくわかっていた。


「ふふっ、ありがとう」


 寺前はにっこりと笑ったが、また真面目な顔に戻る。


「でもほんと、秘書なんて優雅に遊んでるって思われがちだけど、なんでも屋よねぇ〜。まぁ、私は社長も会社も仕事内容も好きだから、続いてるんだけど」
「そうですね。私も配属されてから、こんなことまでやるんだって、驚くこと多かったです」


 たった三ヶ月と少しのことだが、雪成の秘書は本当に楽しかった。
 勉強になることもたくさんあった。


(なのに……どうしてこんなことになったんだろう……。)


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