御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「だからね、あなたが中途採用されて入社後すぐに副社長つきの秘書になるって聞いて、けっこう騒ぎになったのよ」
「騒ぎ?」
なんのことだかわからずに、首をかしげる。
「えっと……副社長の女じゃないかって」
「……おん……えええええっ⁉︎」
会議室だということを忘れて、思わず絶叫してしまった。
「あっ、大きな声出して、すみませんっ……!」
会議は三十分後でまだ誰も来ていないのだが、慌てて手のひらで唇を押さえる。
「いや、私こそごめんね、変なこと言っちゃって。でもあなた、四国から上京してきたばかりだったじゃない? だから副社長のオンナ説は消えたのよ」
「そうだったんですか……」
(入社したばかりの頃、確かにちょっと遠巻きにされてた感じしたけど、そういう噂があったからなんだ……。)
実際、たった少しの間とはいえ、そんな関係になってしまったのは事実であるが、自分が来るまで、副社長に秘書がついたことが一度もなかったというのは、驚きだった。
(そういえば、山邑さんも言ってたっけ。女性連れで来たのは初めてだから、恋人だと思ったって……。)