御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 しのぶも持っていたグラスをテーブルに置く。


「自分の気持ちなのに、わからないなんて、変だよね。でも……本当にわからなかった……」


 美月はソファーの上で膝を抱える。

 そしてポツリポツリと、語り始めた。


 帰りたくなかった地元への急な出張で滉一と再会し、ひどく傷ついた自分を、雪成が癒してくれたこと。

 一時でも優しくしてもらえたらそれでいいと思っていたはずなのに、気がつけば雪成を好きになってしまっていたこと。

 そしてその思いに気づいた時、彼に特別な人がいることがわかったこと。
 どうしようもなく嫉妬して、そんな醜い感情に引きずられて、喧嘩まがいのことをして、帰省してきたこと。


 全部、心の中に抱えている思いを、全部、洗いざらい口にした。






「ーー肩の荷、下りたか?」


 顔を上げると、しのぶは酒の入ったグラスを片手に優しい顔をして、美月を見つめていた。

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