御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「美月」
プニッと頬が指でつままれる。
「しのぶちゃん……?」
驚いて一瞬、涙が止まった。
猫のような大きな目で、しのぶは美月を見つめる。
その目に美月を責める色はどこにもなかった。
「……後悔のない人間なんかいるかよ。悩まず、立ち止まったこともない人間がいるかよ。人の心はそんなに強くできてない。未熟な自分を認めてこそ、人は成長するんだ」
しのぶの言葉に、また涙が溢れてくる。
「美月はどうするか自分一人で決めたんだろ。なんか危ねぇことするってんならまだしも、そうじゃないんだろ。だったら私がこの先の美月の未来にどうこう口を出すようなことはねぇよ」
そしてしのぶはニッコリと笑った。
「……しのぶちゃんっ……ありがとうっ……ありがとうねっ……」
手の甲で涙を拭くと同時に、肩をそのまま抱き寄せられる。