御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「ただまぁ、滉一、嘘がつけねぇからな。美月が戻ってること含めて、翠子にバレたらコトだな……」
「だよね……結婚するんだし、変な波風立てるのは悪いよね」
もし自分が滉一と会ったことが翠子やその周辺に知られたら……。
想像するとゾッとする。
八年間、ずっと好きで好きでたまらなかった元恋人である。
振られた直後は恨めしく思ったのも事実だが、心から愛した人を苦しめたくはない。
だがしのぶは少し考えた後、ぐいっと日本酒をあおるように飲み干し、
「まあ、私に任せろ。滉一一人くらい、ペロッと拉致ってやっから」
ペロリと舌なめずりをして、物騒なことを言い放ったのである。
「しのぶちゃん、拉致はちょっと……」
「まぁまぁ」
(大丈夫……なのかな?)
行動力もバイタリティーも人一倍あるしのぶの言葉に若干不安を覚えつつも、美月は自信満々な親友の横顔を見上げた。