御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「ところで美月」
「うん?」


 お母さんのおあげのお味噌汁はおいしいなぁ、とぼんやりしていたら、隣の舞が箸を置く。

 そしてひどく真面目な表情で問いかけた。


「あんた、玉の輿に乗るって本当?」
「ゲホッ……!」


 思わずむせ返ってしまった。


「なっ、なっ、なんでそういうことにっ……!」


 ゲホゲホとせき込みながら、母親が慌てて差し出した水を飲み干す。

 美月は口元をペーパータオルでぬぐい、箸を置いた。


「舞ちゃん、誰から聞いたの、それ」
「あんたの同級生のお客さんから。ってかさ、帰ってきてたんなら顔くらい出しなさいよ」
「……仕事で来てたから帰る暇もなかったの。あと、玉の輿とかそういうのは忘れて……」


 確かに狭い街だが、美月の噂が家族にまで伝わったのは、姉のネイリストという仕事柄のせいだろう。

【KOTAKA】の副社長との噂がまさか家族の耳に入るとは思わなかったが、本気に取られるのは困る。

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