御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「忘れてって言われてもね。大人なんだからほっとけってのもわかるけど、滉一のあとじゃん。だからみんな気にかけてんのよ」
「それはそうかもしれないけど……」
まさか朝からそんなことを聞かれると思っていなかった美月は、テーブルの向こうの両親の顔を見つめる。
おしゃべりな母親はまだしも、なぜか普段無口でほとんど喋らない父親まで、持っていた新聞の表面を見つめるだけで、まったく字を追っていない。どこかソワソワしている。
(これは……最初から舞ちゃんが代表して聞くってことで打ち合わせしてるな。)
美月はハァ、とため息をついた。
「ハァじゃないよ、美月。どうなの、本気なの」
「……うん」
やけっぱちになっているわけでもない。自分が本気なのは確かだ。だからうなずいた。
「……美月。いくらなんでも【KOTAKA】の副社長なんて身分違いにもほどがあるよ。最初は良くてもさ、すぐにいろんなことが違いすぎるって、思うよ。うまくいくわけないじゃない」
「舞ちゃん……」