御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「でも、私は大丈夫だから」


 顔を上げ、美月はきっぱりと言い放った。


「美月……」
「玉の輿うんぬんはとりあえず一旦置いといて欲しいんだけど……どうなっても、滉一くんのときみたいにはならないよ。だから心配しないで欲しいんだ」


 どうなっても心配しないで……。

 自分で言っておいてなんだが、美月の胸はきつく締め付けられる。
 だがその痛みもあって当然のものなのだと、受け入れるしかない。


 実質、雪成には菜穂がいる。

 仕事だって続けられるかわからない。東京に戻ったら美月の居場所はないかもしれない。

 なにより、美月自身、結婚した雪成を一番近くで見つめるのはあまりにも辛すぎるとわかっている。

 想像すればするほど、いいことは何もないような気がしてくる。

 だが、それでも美月は、“傷つくから”という理由で、自分の心を変えるつもりは微塵もなかったのだ。


(全部、私の責任で、私の意志だから……。)



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