御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
生きているだけでいいとは甘やかされたものだが、滉一と別れた後の憔悴ぶりを近くで見ていた家族にとっては、冗談ではないのだ。
家族の愛情をヒシヒシと感じながら、美月も改めてお味噌汁のお椀を持ち上げた。
「お母さん、やっぱりご飯も食べる」
「はいはい、ちょっと待ってね〜」
母は笑ってテーブルから立ち上がる。
「ワンワンワン!」
「ハトムギ、後で散歩に行こうか。ね、お父さん」
「うん? ああ、そうだな」
父は新聞をたたみながら窓の外に目をやった。
「お父さん、最近太ってきたからなー。歩かなきゃヤバいよ。メタボだよ」
「そ、そうか?」
窓の外はくっきりと晴れ渡っていた。
東京とは違う、見上げなくてもどこまでも青い空だった。