御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
「美月……」
そんなやりとりを見て、しのぶの背後に立っていた滉一が一歩前に出た。
シンプルなボタンダウンのシャツにデニムという姿は懐かしく、美月の心を一瞬だけざわつかせたが、それ以上の感情は起こらなかった。
「滉一くん……ちょっと痩せた?」
幾分か頰のあたりが痩せたような気がした美月が問うと、
「仕事忙しくてさ」
滉一が頬のあたりを撫でる。
「美月、こんなクソ男の体の心配なんかしてやんなくていいぜ」
しのぶは笑って滉一の肩に腕を回すが、
「なんか懐かしいな、こういうの」
と、ぽつりと呟く滉一の言葉に、顔色を変えた。
「ハァ? なに懐かしがってんだよ。こういうの、自分で手放したんだろ。自分の意思だろ。馬鹿かお前は」
「……まぁ、そうだけど」
しのぶの正論に全く言い返せない滉一に、美月は慌てて声をかけた。
「無理言ってごめんね、今日、ここに来るの大丈夫だった?」