御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「ああ。実は親父が入院してるんだ。だからちょくちょく来てるから大丈夫だ」
「……えっ!」
「はっ⁉︎」


 滉一の父とは当然、面識がある。美月だけでなく、しのぶも驚いたように目を見開いた。


「親父さんどっか悪いのかよ。聞いてねぇぞ」
「去年末からちょっと腎臓の数値が悪くてさ。入退院繰り返してるんだ」
「マジかよ……」
「全然知らなかった……」


 眉を寄せるしのぶと美月に、滉一は苦笑した。


「いや、そんな今すぐどうこうなるとか、深刻じゃないから。悪いな、なんか……」


 そして滉一は美月を見つめた。


「話したいって言ってくれてありがとな。俺もう、二度と美月に会えないって思ってたよ」
「滉一くん……」


 美月も、こんな風に滉一から“ありがとう”と言われる日が来るとは想像していなかった。

 それでも心は苦しくならなかった。
 ようやく自分の心が理性に追いついたということなのかもしれない。


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