御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
(東京では仕事中はほとんど思い出さなかったのに……。きっとこの街の空気のせいだ。)
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昼からの企業回りは順調に終わった。
いったんヴィラに戻ったが、夜は商工会議所の懇親会に参加した。会場は市内のホテルの宴会場で、雪成が姿を表すと、あっという間に囲まれてしまった。
(さすがKOTAKAの副社長。会いたいって言われる人数が多すぎるわ。)
一緒にいる美月も、名刺を受け取ったり、渡したり、スケジュールを確認したりと大忙しである。
そうやってコマネズミのように雪成の隣で働いていた美月だが--。
「……美月?」
懐かしい声に名前を呼ばれ、背筋が凍りついた。