御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 間違えるはずがない。
 絶対に間違えない。

 たとえどれだけ人がいても、彼の声だけはまっすぐに美月の胸に響くのである。


「……滉一(こういち)君」


 五メートルほど先の人の輪の中に、【彼】が立っていた。


 三浦滉一。美月と同級生で、地元の紡績会社に入社し、営業部で働いている。

 高校大学とサッカー部のエースで、社会人になってもフットサルチームに参加していた。
 日に焼けた精悍な顔立ちに、甘さを含んだ、美月が好きでたまらなかった、滉一そのものだった。


「……お久しぶりです」


 ちゃんと名前が呼べたことにも、強張ってはいるが、笑顔を作れたことにも驚いた。


「美月、なんでお前がここに……?」



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