御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
だが滉一はまるでお化けでも見たかのように顔面蒼白で、けれど慌てたように人をかき分けて美月の前にやってきた。
彼と別れたのはたった五か月ほど前のことだ。
たった五か月。それでも涙が出るくらい懐かしい。
美月はそんな自分の未練が悔しくて、せめてそれを悟られまいと必死に顔を作る。
(ここで絶対に泣いたり、傷ついたりしない!)
「何度か連絡した。でも携帯、繋がらなかった」
なぜか気まずそうに滉一が視線を彷徨わせる。
「……携帯、変えたから」
三か月前に上京するにあたって、長く使っていた契約は解約して、新しい番号で契約し直したのである。
なので今の美月の番号を知っているのは、会社関係と家族、それと地元にいる親友の清水しのぶだけだった。