御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 だが滉一はまるでお化けでも見たかのように顔面蒼白で、けれど慌てたように人をかき分けて美月の前にやってきた。


 彼と別れたのはたった五か月ほど前のことだ。
 たった五か月。それでも涙が出るくらい懐かしい。

 美月はそんな自分の未練が悔しくて、せめてそれを悟られまいと必死に顔を作る。


(ここで絶対に泣いたり、傷ついたりしない!)


「何度か連絡した。でも携帯、繋がらなかった」


 なぜか気まずそうに滉一が視線を彷徨わせる。


「……携帯、変えたから」


 三か月前に上京するにあたって、長く使っていた契約は解約して、新しい番号で契約し直したのである。

 なので今の美月の番号を知っているのは、会社関係と家族、それと地元にいる親友の清水しのぶだけだった。



< 25 / 323 >

この作品をシェア

pagetop