御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 三度目の出会いは年明け以降のことだった。

 もちろん場所は鳴門である。

 飛行機の最終便でこの地に降り立った時、当然雪成は“森田さん”のことを考えたが、彼女は彼女らしく、幸せになっているに違いないと思うくらいだった。


 ハジメとは東京で会い、彼のマンションの鍵を預かっている。

 さっそくタクシーでマンションに向かい、エレベーターに乗ろうとエントランスで待っていると、一人の女が降りてきた。


「だから彼、森田さんとは別れてくれたんだって」


 彼女はラフな部屋着姿である。おそらくマンションの住人で、目の前にあるコンビニに向かっているところなのだろう。

 携帯電話で早口で誰かと話をしている。


(森田さん……?)


 森田なんて名前は珍しくない。

 珍しくはないが、雪成はくるりときびすを返し、コンビニの方へとついて歩く。


 女は電話に夢中で、雪成に気づいていないようだ。



< 271 / 323 >

この作品をシェア

pagetop