御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 一方雪成は、女の後を追う気になれず、久しぶりにタバコとライターを買って、コンビニの外で唇にくわえた。


「……福田税理士事務所……か」


 口に出すと、現実味が増す。


(そういえば“森田さん”は“先生”と口にしていたな……。士業の先生なら、つじつまが合う。)


 だがまさか、と思った。
 彼女が不幸になる未来を、雪成は一度も想像していなかったのだ。
 
 だが世の中には理不尽な現実はいくらでもあり、正直者が馬鹿を見るなんてことは別に珍しくもない。


(……とりあえず確かめてみよう。全てはそれからだ。)


 そして雪成は、その夜【KOTAKA】で使っている興信所に「個人的な理由で」と調査を依頼した。


 自分でもどうかと思うが、確かめずにはいられなかった。


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