御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
(もしかしたら、私の頬プニプニしてたのって……安心してくれてたってこと?)
頬が餅だとからかわれてるたび、真剣に腹を立てていた美月だが、雪成は美月が回復したことが嬉しかったのだろうか。
(こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど……可愛い人だな。)
それから、美月はよしよしと雪成の頭を撫でる。
「……もっと撫でろよ」
「はい」
嫌がられるかと思ったが、そうでもなかった。
そして雪成は観念したように呟いた。
「こんな俺でも、好きだって言ってくれ」
美月は笑って、雪成の前髪をかき上げると、
「そんな雪成さんが、好きですよ」
と、その額にキスをする。
「私、雪成さんのこと何にも知らないんです。もっと、聞いてもいいですか。私に、あなたのこと教えてもらえますか……?」
例えば家族のこと……どんな風に生まれ、育ってきたのか。
好きなもの、嫌いなもの。
美月は、菜穂に嫉妬するよりもずっと、彼がどんな人生を送ってきたのか、知りたくなっていた。