御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 慌てて電話をかけると、
《美月〜!》
と、陽気な返事が返ってきた。


「しのぶちゃん、東京に来てるの?」


 すると確かに親友の声と、雑踏の声が、スマホの向こうから聞こえてきた。


《ああ、来てるよ。実はオヤジが食中毒になってさ、急遽の代理で親父の代わりにあちこち回ってたんだよ。てか、電気多すぎねぇ?》
「まぁ確かに、日が落ちてもどこも明るいけど……」


 美月は壁にかかっている時計を見上げる。
 時計の針は夜の八時に近づいていた。


「しのぶちゃん、まだ仕事?」
《いや、これで終わりだけど。美月は? 会えるんだったら、会いたいんだけど。飯でもくわねぇ?》


 聞けばしのぶは六本木にいるという。


「私は職場だけど、すぐに行けるよ。私も会いたいし!」
《ん、じゃあまた後で。ついたら適当に電話してくれ》


 しのぶとは近いうちに東京で会おうと言っていたが、こんな急に実現するとは思わなかった。


 美月は急いで身支度を整え、退勤することにした。



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