御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

(そっか……私、自分のことばっかりだったけど、そうなんだよね……。私が幸せになれば、滉一くんたちが悪く言われることもないんだ。)


 滉一と病院の屋上で話した記憶が、走馬灯のように美月の脳裏に蘇る。

 自分の浮気を告白した滉一に、確かにあの時はショックを受けたが、今はどうだろう。
 ほとんど思い出すことはなくなっていた。


「だったらよかった。滉一くんにも加藤さんにも、幸せになってほしいもん」
「おい、美月。お前は天使か。私なら死ぬまで恨んで呪うぞ」
「あははっ、そんな大げさな」


 そもそもしのぶはめそめそと引きずる自分と違って、いつもさっぱり竹を割ったような性格をしているのである。
 自分を励ますつもりでこんなことを言ってくれているのだ。


(しのぶちゃんがいてくれてよかった……。)


 美月はじんわりと胸を熱くしながら、久しぶりのしのぶとの時間を楽しんだ。


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