御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 雪成の体はとても暖かい。

 背中に腕を回し身体をぴったりとくっつけて目を閉じると、大きな船に乗り、波に揺られているような気になる。


「そういえば、山邑さんに、花火を観ようって誘われました」
「美月ひとりをか? あいつは油断も隙もないな……当然ダメだぞ」


 雪成は美月の背中をゆっくりとなでる。

 どうやら美月ひとりが誘われたと勘違いしたらしい。


「そんなわけないじやないですか。雪成さんと一緒にですよ」


 くすくす笑いながら美月が顔を上げると、雪成は「ああ」と目を細める。


「そういえば誘われていたな……だが、あいつの主催するパーティーなんか、これから先いくらでも二人で付き合わされるさ。今年はいいだろ」


 そして美月のあご先を持ち上げて、今度は額にキスをする。


< 306 / 323 >

この作品をシェア

pagetop