御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 雪成の実家は純然たる日本家屋の古いお屋敷で、彼の両親が住んでいる。

 だが今日は、二人とも留守にしているらしい。

 留守を預かっているという何人かの使用人が、ニコニコしながら美月を迎えてくれた。


「留守だって聞いてましたけど、ずっと緊張してて……やっぱりお留守なんですね」


 美月がホッと胸をなでおろすと、隣の雪成はなんだか複雑そうな顔をする。


「緊張するのか?」
「しますよ。いずれ雪成さんのご両親に挨拶できたらって思ってましたけど、ただ【KOTAKA】で働いている身としては、ちょっと複雑というか……ごめんなさい、なんだか自分でもうまく言えなくて」


 美月はふふっと笑いながら、雪成が幼い頃過ごしていた母屋の二階の、部屋の中を見回した。


「本当に素敵なお屋敷ですね」


 昔ながらの和室と、昭和初期に改装されたというモダンな洋室がまるで映画のセットのようである。


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