御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 社長のことは当然知っているが、雪成の母のことは知らない。今日はたまたま会えなかったが、このまま付き合っていれば、きっといつか会うことになるはずだ。


(雪成さんをあんな素敵な人に育てたお母さんだもの。全然心配はしてないけど……でも向こうからしたら、私ってどうなのかなぁ。)


 自分で言うのもなんだが、ごくごく普通の公務員の家庭で生まれ育った、普通の、平凡な女である。


「小鷹家に相応しくないって言われたらどうしよう……」


 当然そんなことを考えてしまう。

(でも私は、雪成さんと一緒に居るためなら、どんな努力でもする……。してみせる。)

 メソメソと泣いて落ち込む美月はもうここにはいない。

 雪成の生まれ育ったこの屋敷で、美月は決意を新たにするのだった。

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