御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 しのぶに今地元に戻っていることは言っていない。しかも水曜日のこの時間、勤務中だとわかっているはずだ。
 それでもかけてきているのである。

 プレッシャーをかけるのが目的というわけではないが、逃げられそうにもない。


(出ないわけには……いかないよね。)


 美月ははーっと息を吐き、緊張を緩めてから、
「はい、もしもし……」
と、電話に出た。


 その瞬間、
『おいーみーつーきー』
ドスの効いた低い声で、名前を呼ばれる。
 長い付き合いなのでわかる。これは間違いなく怒っている。


「しのぶちゃん……ごめん」


 こういう時は素直に謝るのが一番だ。


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