御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「地元の友人とランチをすることになりまして……」


 気分は体育館裏に呼び出される気弱な男子学生であるが、とりあえず無難にそう答えた。


「へーっ、地元なんだ。てかみっちゃん、デニムいいね。僕、フェミニンな女性がデニムに白いシャツあわせて、長い髪ふわ〜っと下ろしてるのめちゃくちゃ好きなんだよ。ドンピシャ。やばいね。好きになってもいいかな?」


 真顔で迫ってくるハジメに、美月は苦笑するしかない。


(全然そんな気なくても、口説くのが礼儀だと思ってる人なんだろうな。社員の人たちも全然驚いてないし……。)


 こんな人と雪成が良好な友人関係を保っているというのもなかなか面白い話である。


「街に降りるなら送っていこうか。僕もちょうど出るとこだし」
「いえ、その、迎えが……」


 その瞬間、静かなリゾートの空気を切り裂く排気音がどんどん近づいてくるのが耳に入った。



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